病院薬剤師が帝京大学SPHを目指したわけ

本日は自分語りをしてみようと思います.

  • 公衆衛生大学院,公衆衛生専門職大学院って?
  • なぜ病院薬剤師が大学院進学を決めたのか
  • なぜ薬学ではない公衆衛生学研究科を選んだのか
  • 病院薬剤師が公衆衛生大学院で学びたいこと

こんな内容で書いていきます.
入学後・卒業後に振り返るために,記事にします.

公衆衛生学に興味がある方の参考になれば幸いですが,入学前の記事なのでその点はご注意ください.

公衆衛生大学院(SPH)って?

SPHへの進学

私は2020年4月から,病院薬剤師の職を離れて帝京大学大学院公衆衛生学研究科(以下,帝京SPH)へ進学します.
帝京SPHには専門職学位課程(MPH),博士後期課程(DrPH)があります.
MPHの中にも1年コースと2年コースがありますが,1年コースを受験しました.

私は色々な助成金を利用できない職種であったため,収入の問題から1年コースを選択しました.
ですが,これは正しい選択であったのかと考えています.
受験時は病院薬剤師へ戻る予定だったので選びましたが,修了後の進路は一度忘れ,在学中に考えることにしたからです.

SPHって?

帝京SPHは公衆衛生の人材育成を通じて社会貢献を行うことを目的の一つとしています。

その具体的なミッションとして、社会における公衆衛生課題の解決を目指すリーダー(Change agent)を養成する教育を行い、また、実践に結びつく科学的研究を通じて健康でより良い社会をつくり、いのちとくらしを衛ることを行っています

(中略)

国際的に求められている5分野(疫学、生物統計学、保健政策・医療管理学、社会行動科学、環境産業保健学)を網羅した授業をおこなっています。

帝京大学公衆衛生学研究科オリジナルサイトより

薬学とは異なり,公衆衛生学ではどんなことに取り組むのかわかりにくい印象はあります.
それはおそらく取り扱う範囲が広すぎるからだと思いますが,このイメージが入学後に変わるのか楽しみにしています.

病院薬剤師がSPHを選ぶまで

病院薬剤師の転職,進路

私は5年間病院に勤務していましたが,不満を抱えながら仕事をしていました.
仕事に慣れ,時間が経つまでそのことに気がつかなかったのですが…….

個人が業務上の課題意識を持っても共有できる場所が少なく,相談しても歯痒さ,批判を味わう.
そういったことが多くありました.
何度か失敗を繰り返すうちに悩み,環境を変えることを真剣に考えました.
私自身に人を動かすことができる説明力,先を見通す力,実行力など足りないものがたくさんあったことが大きな原因だと考えています.
そしてそれらを身につけ,今後新しく取り組みたいことを考える中で,魅力を感じたのが大学院進学でした.

ここまでの文章で,我の強い意識高い雰囲気が出ているかもしれません.
ですが,自分自身は足並みをそろえることを重視する性格だと思っています.

病院薬剤師と帝京SPHの出会い

最初は転職を検討したのですが,心身ともに疲れ果てていました.
すぐに違う病院で当直を含む勤務をする覚悟ができず,リハビリを兼ねて勉強することを選びました.

私は以前から統計学と疫学を身につけたいと思っていました.
後述しますが,学部生の頃にやり残したことが心の中にあったことも大きな理由です.

疫学と統計学,そして大学院をキーワードに検索(だったかな?).
すぐに公衆衛生大学院がヒットしました.

「略してSPHというのか,なるほど.あんまり聞いたことがないけど,国内にはどれくらいあるんだろう?」

そんな軽い気持ちで検索すると,日本には公衆衛生系専門職大学院が5つあることがわかりました.

公衆衛生を学べる大学院は他にもあります.
公衆衛生大学院の位置づけについて臨床批評の佐藤 大輔先生の連載(VOL.3-No.4)に詳しいです.
その中の一つが帝京SPHでした.

帝京SPHが目に留まったのは情報提供が積極的だった点です.
大学のホームページ以外にも研究科オリジナルのホームページを作成し,頻繁に更新されています.
入試などの案内だけでなく,専門の大学院としての活動の報告も行われています.

入学試験の方式を調べた際に,試験の準備が比較的少なく済みそうだったというのも大きな理由です.
自分自身の疲労が原因ですが,準備に時間やソースを割くことができなかったためとても魅力的でした.

実際にはSPHを発見してから受験を決めるまで色々と遠回りをし,
長い時間悩みましたが最終的に進学を決めて良かったと今は思っています.

病院薬剤師がSPHで特に学びたいこと

「病院薬剤師がSPHに期待するもの」というタイトルにしようかと思いましたが,
なんだかエラそうだし,消極的な雰囲気がするのでこちらのタイトルに直しました.

生物統計学

学部生の時に研究した母集団薬物動態解析(PPK)に不完全燃焼感がありました.
解析に使用したmodelはほとんどが先輩たちの先行研究から示唆されたものであり,
しかも理解して選んだとは言えないものでした.
主体的に解析してmodelや式を構築するということに取り組んでみたいと思います.

研究で使用した統計手法は自分で選んだものが多いですが,十分な理解のもとではありませんでした.
主にはSPSSで簡単に扱えるものから選びました.
それは統計ソフトとしてSPSSしか使用できず,これしか知らなかったためです.
指導していただいた教授はExcel統計を使用していたため使用できる検定に違いがあり,
特徴などもよくわからずに結果だけの議論になっていました.

一方でデータ解析は面白く感じました.
患者さんごとの個別の治療(データセット)から,因果関係や式を導き出していくことが魅力的でした.
個別のメリットから,多数のメリットへと昇華できることに惹かれました.
変な言い方をあえてすれば,一石二鳥のようなイメージです.

また,たった1年間では難しいとは思いますが,データサイエンスにも興味があります.
独習も含めてチャレンジします.
現在米国データサイエンティストのかめさん(@usdatascientist)のブログにてPythonを学習中させていただいています.

疫学(感染症含む)

私は疫学をほとんど勉強できていません.
正確には学部の時に若干学んでいますが,ほとんど覚えていません.

そんな私が持つ疫学のイメージは,巨視的な目です(日本語も,イメージも適切かな?)
論文を読み書きするチカラのためにも疫学は重要と考えていますが,
それ以外にも病院での感染制御チーム(ICT)としての活動で勉強不足を感じる場面が多かったです.

感染症と向き合う上で,一つの医療機関にいるだけではマクロな視点が持てないと思いました.
病院にいる薬剤師は日々の業務の特性上,対一人(患者さん)の考えた方に陥りがちです.
もちろん個別化医療,いわゆるテーラーメイド医療は大切という前提ですが,
感染制御を考える上では公衆を捉えなくてはならないという課題意識がありました.

そして,カリキュラムの中にはあまりなさそうですが感染症疫学をとても必要だと感じています.
ICTとして活動する時に,疫学的な視点は全て感染管理認定看護師やICDに頼っていました.
業務と直接関連しにくい分野であったことも理由ですが,サーベイランスや感染地図など状況を記述する術が私にはありませんでした.
この点に関しては以前日本環境感染学会の医療疫学トレーニングコースを受講することも検討しましたが,日程が合わず見送りました.
今回のSARS-CoV-2の感染症を踏まえても,感染症疫学の重要性を感じています.

論文への苦手意識への克服

こちらは副次的な目標です.
病院勤務の中であまり論文を読むということを取り入れてこなかったので,苦手意識があります.

適切な読み方もわからず,自分の業務・行動への取り入れ方もはっきりしないので課題としておきたいと思います.

まとめ

このブログを作ったことをきっかけに,多くのMPHの方,これからSPHへ入学する方,
別領域の大学院生の方などたくさんの努力をされている方々を知ることができました.
Twitterのタイムラインを見ているとたくさんの良い刺激がもらえ,このブログを作って良かったと思っています.
もちろんアウトプットの場として,ブログの更新も頑張って行きたいと思います.

今回は入学前の決意表明の記事になりました.
初心忘れるべからずということで,適宜振り返っていきたいと思います.

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