第105回薬剤師国家試験 薬物動態学の試験問題 1日目

今回は2/22,23で実施された第105回薬剤師国家試験の薬物動態学の問題を解いてみます.
1日目の必須問題と理論問題を解きました.
LaTexの使い方の練習がサブテーマです.

国家試験の問題に触れるのは,5年以上ぶりですがすっかり忘れていますね.
教科書を引っ張り出して復習しながら解いてみました.
確認しながら解いていますが,間違えている可能性はありますのでご指摘歓迎です.

問題は薬学ゼミナールさんのホームページからダウンロードさせていただき,一部引用させていただいております.

2日目の実践問題はこちら

必須問題

答え 1
担体介在輸送とかいろんなものが混ざっている印象

**********


答え 2
血液脳関門の実体である脳毛細血管細胞内から,血液へ薬物を排出するのがP糖タンパク質.
ATPを直接消費する一次性能動輸送.

**********

問43
薬物代謝における第II相反応はどれか.1つ選べ.

1.アルキル化
2.加水分解
3.還元
4.酸化
5.抱合

答え 5
加水分解,還元,酸化は第I相反応の代表例

**********

問44
CYP3A4の活性を不可逆的に阻害するのはどれか.1つ選べ.
1.イソニアジド
2.エリスロマイシン
3.シメチジン
4.ファモチジン
5.リファンピシン

答え 2
CYP3A4阻害薬の代表例がマクロライド系.臨床でも要注意.
イソニアジドはアセチル抱合,リファンピシンは酵素誘導.

**********

答え 3
イヌリンは分子量5,000程度で糸球体で自由に濾過され,尿細管での再吸収も分泌もない.
クリアランスとは,単位時間あたりに薬物に汚染された血液を浄化する速度.
以上より血中にいくらイヌリンが増えても単位時間あたりに濾過されるイヌリンに汚染された血液量は,元々の生理機能的に濾過される血液量(GFR)と同じである.つまり腎クリアランスは一定.

**********

答え 1
\(Rin = Cp_ss × CL_tot\)
積分して,
\(D = AUC × CL_tot\)

\(Cp_ss\)は定常状態の血中濃度
\(R_in\)は投与速度
\(D\)は投与量

**********

問47
体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物を,消失半減期毎に同量繰り返し投与した場合の蓄積率はどれか.1つ選べ.

1.1.3
2.1.5
3.1.7
4.2.0
5.4.0

答え 4
\(蓄積係数 = \displaystyle\frac{1}{[1-\displaystyle(\frac{1}{2})^ε]}\)
\(投与間隔 = ε × 半減期\)
よって今回の場合は\(ε = 1\)
計算すると,\(蓄積係数 = 2.0\)

理論問題

答え 4,5
✖︎1.抗コリン薬は,胃内容排出速度を低下させる
✖︎2.鼻粘膜は多列絨毛上皮.,デスモプレシンなどの高分子薬物の経鼻吸収製剤が発売されている
✖︎3.角質層は最も厚いわけではない.表皮全体で捉えても真皮の方が20-30倍厚い.経皮吸収の障壁であることは正しい

**********

答え 1,4
✖︎2.分子量5,000以上が薬物のリンパ管移行の目安である
✖︎3.プロプラノロールやイミプラミンの結合蛋白は,α1酸性糖タンパク
✖︎5.血漿タンパク結合率が低い,塩基性薬物は乳汁中への移行性が高い

**********

答え 3

エタノールにより誘導される酵素(CYP)が関わる代謝過程は酸化.
✖︎1.硫酸抱合 小児におけるアセトアミノフェン投与の安全性が高いのは,毒性に関連するCYPによる代謝よりも硫酸抱合が優位なため
✖︎2.グルクロン酸抱合 
✖︎4 グルタチオン抱合 アセトアミノフェンの解毒薬,Nアセチルシステインはグルタチオン抱合の原料となるグルタチオンの前駆体.グルタチオンそのものよりも細胞内に吸収されやすい性質を持つ
✖︎5 代謝過程というよりも有毒性発現機構そのもの

**********

答え 1,3
✖︎2.胆汁排泄される薬物は,分子量500以上で脂溶性が高いことが特徴
✖︎4.腸内細菌による分解を阻害すると,腸肝循環を抑制することができる.AUCは減少する
✖︎5.肝クリアランス = 代謝クリアランスと胆汁排泄の合計

**********

答え 3
血中薬物濃度と薬効・副作用の相関が不明であれば血中濃度を測定する意義は薄い

**********

答え 2,3
✖︎1,レボドパの末梢での分解を抑制することがカルビドパと併用する目的である
✖︎4.メトホルミンとシメチジンは,有機カチオントランスポーターでの競合を起こす
✖︎5.ロキソプロフェンのプロスタグランジン産生抑制作用による腎血流量の低下が,リチウムの排泄を抑制する機序が考えられている

理論問題の計算問題

まず,尿中薬物濃度と尿量(5時間あたりで与えられているので,1分あたりに変換)から腎排泄速度を求める.

\(腎排泄速度 = 180[μg/mL] × 1 [mL/min] = 180 [μg/min] \)

次に,

\(消失速度 = 血中濃度 × クリアランス\)

今回は腎臓なので

\(腎排泄速度 = 血中濃度 × 腎クリアランス(CL_r)\)

より

\(180 [μg/min] = 5.0 [μg/mL] × CL_r\)

\(CL_r = 36 [mL/min]\)

腎クリアランスが求まる.

次に腎クリアランスの計算式より,

\(CL_r = (血中遊離形分率 × 糸球体濾過速度 + 尿細管分泌クリアランス(CL_s)\\ × (1-尿細管再吸収率)\)

代入していくと,

\(36(mL/min) = (0.2 × 120[mL/min] + CL_S) × (1 - 0.2)\)

整理して

\(CL_s = 21[mL/min]\)

よって,最も近い答えは2の20になる.

**********

まず,急速静注のデータと

\(投与量 = 血中濃度時間曲線下面積(AUC) × 全身クリアランス(CL_tot)\)

より,

\(10[mg] = 0.20[mg ・h/L]× CL_tot\)

\(CL_tot = 50[L/hr]\)

肝代謝と腎排泄のみで消失する前提において.
静脈内投与にて,尿中総排泄量が2.0mgであったことに対して,
経口投与では尿中総排泄量は3.0mgであった(1.5倍の排泄量であることに注目する).
ここから,静脈内投与は全ての投与量10mgが体循環に入って尿中総排泄量が2.0mgであったため,経口投与ではその1.5倍となる15mgが体循環に入ったと推定できる.

よって,答えは1,4となる.

✖︎2.✖︎3,✖︎5
尿中総排泄量が2.0mgしかないため,尿中未変化体排泄率はどうやっても0.2より小さくなりそうである.
つまり,肝代謝が占める割合は8割以上であることが推定される.
肝代謝全体や肝初回通過効果の寄与が選択肢に記述されている程度とは考えづらい.

コメント

タイトルとURLをコピーしました