【文献】若い成人におけるマスクの使用,手指衛生,季節性インフルエンザ様症状:ランダム化介入試験

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が話題にのぼっています.
マスクの転売やアルコールの不足,デマ(無茶苦茶な,不要な,煽るだけの報道含む)など流行前から既にパニックになっています.
ですが個人レベルでできることは,積極的な手洗いや不要な人混みへの外出を控えることくらいでしょうか? あとは感冒用症状で無理して外出しないことも大切ですね.

政府レベルでは,クルーズ船や帰国者,入国者への対応など難しい局面が続いています.
大流行や多数の死者の発生を避けるためにも,専門家集団が指揮をとって対応にあたることが望まれます.
WHOはあくまで声明や情報を出すだけであって,日本という国として国内に専門的な対応をする機関を作ることができないのでしょうか.

前置きが長くなりましたが,今回は感染症予防に関して手指衛生・マスクについてのアブストラクトを読みました.
2報読むので,今回は1つ目の記事になります.

Mask use, hand hygiene, and seasonal influenza-like illness among young adults: a randomized intervention trial. 若い成人におけるマスクの使用,手指衛生,季節性インフルエンザ様症状:ランダム化介入試験

10年前の論文ですが,マスク単独・マスク+手指衛生の徹底・コントロール群の予防効果をみる介入研究になります.

Mask use, hand hygiene, and seasonal influenza-like illness among young adults: a randomized intervention trial.

背景

インフルエンザA(H1N1)のパンデミックの期間,抗ウイルス薬の処方は限られており,ワクチンはすぐには入手できず,非薬物的な有効な介入方法は確立されていなかった.

マスクと手指衛生の利用がインフルエンザ様症状の発生を減らすことができるかを試験した.

方法

ランダム化された介入試験に,2006年から2007年のインフルエンザシーズンに大学の学生寮に入寮していた1,437人の若い成人が組み込まれた.

学生寮はランダムに,マスクの使用,マスクと手指衛生,対照群と3つのグループに割り振られ,6週間観察を行った.

一般化モデルから毎週の区切りと,累積で臨床的な診断,調査で報告されたインフルエンザ様症状の割合を推定した.

結果

4-6週間目にマスクの使用と手指衛生群に,対照群と比較して有意なインフルエンザ発症率が35%(95%信頼区間:9-53%)対51%(95%信頼区間:13-73%)と減少を観察した(ワクチンやその他の共変量の影響を調節後).

マスクのみの使用群は同様にインフルエンザ様症状の減少を見せたが,調整後は有意差がなかった.

マスクと手指衛生も,マスク単独の使用も累積的にはインフルエンザ様症状の発生を有意に減少しなかった.

結論

これらの発見は

・マスクと手指衛生の併用は,共有した居住環境において呼吸器疾患を減少するかもしれないこと,

・また,インフルエンザA(H1N1)のパンデミックの影響を和らげるかもしれないこと

を示している.

まとめ

手指衛生,マスクの使用についての論文でした.
こちらがマスクの予防効果に対するエビデンスの1つになっている論文なんですね.

この結果は,確かに飛び道具の様な素晴らしい効果を,少なくともマスク単独では得られそうにないことを示しています.
マスクの着脱の手技ではそもそも手洗いが必須ですし,納得できる結果と言えそうです.

また,こちらの論文からは手指衛生の効果も弱いものである様に見えます.
そしてシチュエーションが若い学生の,共同生活を送る環境という点も考慮する必要があるのかもしれません.
他の文献も調べて,そちらについても合わせて考えていきたいと思います.

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