【文献】医療従事者における医療用マスクに対する布マスクの比較.ランダム化クラスター解析

前回に引き続き,マスクの文献についてアブストラクトを.
今回の論文は医療従事者における布マスクの使用についての研究です.

現在では布マスクを使用している医療機関は存在しないとは思いますが.

A cluster randomised trial of cloth masks compared with medical masks in healthcare workers. 医療従事者における医療用マスクに対する布マスクのランダム化した集団での比較

2015年の論文です.

A cluster randomised trial of cloth masks compared with medical masks in healthcare workers. 

目的

この研究の目的は医療従事者における,布マスクの効果を医療用マスクと比較することである.
帰無仮説は,医療用マスクと布マスク間に違いがないこと.

設定

ベトナム,ハノイの2次/3次病院

被験者

1,607人の18歳以上,ハイリスク病棟の全時間勤務の医療従事者

介入

病棟は
・医療用マスク使用群
・布マスク使用群
・対照群(通常の対応,マスク使用も含んでいる)
にランダムに振り分けられた.
被験者はマスクを毎シフトで4週間使用した.

主要結果の測定方法

呼吸器疾患,インフルエンザ様症状,検査で確認された呼吸器のウイルス感染症

結果

感染率は,医療用マスク群に比較して布マスク群で高かった(インフルエンザ様症状の発生は,布マスク群で統計学的に有意に高く,相対リスク:13.0% 95%信頼区間1.69-100.07).

布マスク群はまた,対称群と比べてもインフルエンザ様症状の発現は統計学的に有意に高かった
布マスクの使用によるインフルエンザ様症状の発現は,相対リスク6.64% 95%信頼区間1.45-28.65.
そして検査によって判明した布マスクの使用によるウイルス感染の発現は相対リスク1.72% 95%信頼区間1.01-2.94であり,
それぞれ布マスク群で医療用マスク群と比較して有意に高かった.

粒子の布マスクへの侵入はほぼ97%,医療用マスクでは44%であった.

結論

この研究は布マスクに対する初めてのRCT(ランダム化比較試験)であり,その結果は布マスクの使用に反対するものであった.
これは職務上の健康と安全を報告する重要な発見であった.

布マスクの再利用と,貧弱なフィルター機能は感染のリスクの上昇を引き起こす
世界的に広く布マスクが使用されていることを報告する更なる調査が必要である.
しかしながら,事前の判断であるが,布マスクは医療従事者にとって推奨されるべきではなく,ガイドラインが改められなければならない.

まとめ

新型コロナウイルス関連での医療用マスクの不足に対して手作りのマスクや布マスクでの代用がSNSやTVで紹介されていますが,それに対して警告を行うことができる論文でした.

花粉症対策という意味では布マスクも無駄ではないのでしょうけれど,ウイルスが蔓延している状況では花粉対策としてでも使用は控えた方がいいのかもしれませんね.

マスクについては2編の論文のアブストラクトを載せるつもりでしたが,今回の論文を追加したためあと一回マスクの記事を書こうと思います.

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